79ターン目 後編 「繁盛院をつくる"戦略"の立て方」
2017年02月22日(水)/
コンサル道中記
本日は79ターン目 後編『繁盛院をつくる"戦略"の立て方』というテーマでお伝え致します。
「順調だった売上が「ガクッ!」と落ちる"崖っぷち繁盛院"の特徴とは...?」などなど、役立つ+面白いをテーマにお届けします。音声でもお聞きいただけますし、ブログ形式で書き起こしもついています。では早速「サイを振れー!出発進行~!!」
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- 田村
院として、自分個人として目標があったら、ずっとPDCAをかけ続けると。今の時期、ここどうなんだ?っていうことがわかりますよね。時期で言えば、この1月、2月という時期は、P(企画)の時期ですね。
- 斉藤
企画、計画ですね。
- 田村
はい、この1年間、こういうふうにやると、こんな結果になるんじゃないかという仮説を立てている時間、仮説を立てるべき時期だと思うんですね。
で、3月くらいの新患さんが動き始める時期から、実はDo(行動)をするわけですね。
そして、C(チェック)をする、A(改善)をするということの繰り返し。
毎年まいとし、PDCAをずっと回していくっていう形ですね。
- 斉藤
なるほど。
- 田村
PDCAのスピードは速ければ速いほうが、もちろんいいですけれども、大きな枠としては、1年間のテーマを持ってやるとよいです。今年はカルテを増やすんだ、今年は単価を上げるんだ、今年は来院頻度を上げるんだって大きなテーマをつくっていくわけですね。カルテ枚数を増やすと言っても、そんなすぐには増えませんから。
- 斉藤
そうすることによって、勝ちパターンというか、そういうのが見えてきますもんね。
- 田村
複数年計画でいったら、じゃあカルテ枚数を●枚くらいまでもっていったら、もう稼動が回らなくなってくるから、そこに対して採用をかけるのか、もしくは単価を上げるのかという選択肢が待っているわけですね。
- 斉藤
うんうん。
- 田村
じゃあ、実際に単価を上げてみた。でも、単価を上げると離患率が上がると。じゃあ、単価は1回元に戻そうと。単価を元に戻して、『カルテ単価』を上げるために、単価ではなく来院頻度を上げてみたらどうだろうか。そして、来院頻度を上げていきますと。もちろん、カルテ枚数が一杯で、もう稼動ができないということだと、来院頻度を上げるということは、実際もうできなかったりとかするんですけれども。
- 斉藤
なるほど。
- 田村
我々も、時短や分単価ということを言うようになったのは、このPDCAがあったからなんですね。私が、PDCAかけていた中で、分単価であったり、時短というものにたどり着いたプロセスを、少しお話ししようかなと思うんです。このプロセスをお話しするのは、初めてかもしれないですね。
- 斉藤
おおっ、楽しみです。
- 田村
もともと、私は実費で60分6000円とか、60分7000円とかの施術をやっていたわけですね。30分とか短いこともありましたけど、当時で言うと一般的な施術単価です。分単価で言うと、80円から100円くらいですかね。よければ120円とかっていうときもありましたけれども、それくらいの分単価でやっていたわけです。
当時は、分単価という概念を持っていなかったんですけどね。
- 斉藤
はい。
- 田村
で、集客はうまくできたんですね。時代も良かったですし、月に何百人という集客ができてたわけです。一番多いときだと、月に800人新患が来ているところもありましたから、集客は全然困っていませんでした。幸いにして立地もいいところに出させていただいていましたので、すごく集客ができていたと。だから、売上が上がるわけですね。
- 斉藤
順調に見えますね。
- 田村
上がってくるわけなんですけれど、もっともっと売上を上げていかなきゃいけないと。スタッフの給料をもっと上げていかないと継続しない。売上という課題に関しては、わりと簡単に解決ができたんです。
だけど、次の課題として、従業員が辞めてしまう問題が起きたんです。なんでだ?ということですね。そうすると、それは、給料がなかなか上がらないからだと。では給料を上げていくためには、利益を増やさないといけない。
斉藤;なるほど。
- 田村
売上は確かに上がっていっているんです。毎月、毎年売上は伸びていっている。
だけど利益が増えない。なんでかというと、人1人あたりの生産性が上がっていないので、利益としては伸びてこなかったんです。売上が上がればその分コストもかかるから、利益が伸びないっていう結論ですよね。
- 斉藤
スタッフの生産性ですか。
- 田村
人件費を上げると利益率が下がってしまうので、人件費を上げることがでいないという問題があったわけです。そうしたときに、1人あたりの生産性を高めなきゃいけないという結論になったわけです。数を増やしても、これ以上は利益が伸びないんだっていう。利益率が増えないということは、結果として給料が増やせないんだということがわかったわけです。そこから考えたときに、人1人あたりの生産性をあげなきゃいけないということですね。
- 斉藤
はい。
- 田村
当時で言うと、週休2日制でしたけど、スタッフ1人あたりが50万くらいしか売上なかったんですね。でも、売上が50万しかないと、給料でいうとやっぱり20万くらいしか払えないですよね。そこから引かれるわけですから、東京近郊で1人暮らししていると、なかなか生活が大変だよねっていう。
生活できないことはないけど、ギリギリだよねっていう状態だったので、何年かするとスタッフが辞めていってしまうという現象があったんですね。
- 斉藤
ここで考えるわけですね。
- 田村
それを改善しなきゃいけないということで、分単価という考え方に行きついて、1分あたりの単価を上げれば生産性が上がるから、給料を上げることができるんじゃないかという結論に至ったわけですね。
- 斉藤
なるほど…
- 田村
だから、本当にずっとチェックをして、数字をとって、仮説を立てて、行動をして、検証してということをずっと繰り返していったわけです。分単価をどこまで上げられるんだということを、今もずっと検証し続けているわけですね。
分単価を上げるためには、60分という施術時間があったとします。60分の分単価を上げると、料金がすごく高くなるわけですね。支払い単価がすごく高くなってしまう。
これでは、患者さんがつかないということが、検証していったおかげでわかったわけです。スタッフ側も、金額が高いので売りにくくなってしまうというのがあったので、じゃあ次どうしようかと。
- 斉藤
考えどころですね。
- 田村
分単価は上げなきゃいけない、これは絶対条件だと。だけど、料金が高くなると、買う人がいなくなってしまうので、売上としてたたなくなってくる。買う人がいなきゃしょうがないわけですね。そのときに、じゃあ次どうするかというと、時間を短くすればいいんじゃないかと。時間を短くして、効果をそのままに時間を短くすれば、単価も上げずに、支払い単価も上げないで、分単価を上げることができるんじゃないかということで、時短に行き着いたわけですね。
- 斉藤
そういう経緯があったんですね。
- 田村
こうして、私もこの十数年ずっとPDCAをかけ続けているわけです。
分単価を上げてみたけど、結局回数券とかで割引をしたりすると、また分単価が下がってしまったりとかあるので、そもそも分単価の設定って、けっこう高めに設定しなきゃいけないんだなとか。ゴールがあるわけですよ。こういう状態になるといいっていうゴールが、ずっとあるわけですね。
- 斉藤
はい。
- 田村
それに対して、ずっと十数年改善して、改善して、改善して、ということをやり続けてきているわけですね。終わりはないなと思っているんです。
随分生産性を高めることができたので、今でこそスタッフ1人あたりが80万、100万円と上げることが、もう難しくなくなってきました。
- 斉藤
PDCAの賜物ですね。
- 田村
今後は、もっと生産性を高めていかないと、採用の問題の競争力がつかなかったりとかいうことが出てきますから、もっともっと改善しなきゃいけないということがあります。終わりがないわけですね。こうやって、スパイラルを回していく、PDCAのサイクルを回していくということも非常に大事だと思いますので、ゴールをしっかり決めておくことが大事ですね。
- 斉藤
そうですね。それが、けっこう大事ですね。
- 田村
求める状況がどういう状況なのかということ。そして、こういう状況になると正解だよというのを数値的に出しておくという、これは非常に重要なことだと思うんですね。うちの院にとって、こういう状況になると、こういう結果になると、把握できるということですね。
スタッフさんを雇ってらっしゃるなら、こういう状態になると、こういうふうに待遇が変わるよとかっていうことを見せてあげると、我が事になってくると思いますので。そのへんを意識していただいて、しっかりPDCAを回すことをやっていただく。プラス、気をつけなきゃいけないのは、やるのであれば1つずつ変えていくんだと。
- 斉藤
1つずつ、確実に。
- 田村
一辺にいろんなことをやると、何が良かったのか悪かったのかわからなくなってしまうということですね。
2つのことであって、1個はうまくいった1個は失敗した、結果的に、結果は変わらなかったというと、なんだったのかわからないわけですね。
- 斉藤
わからないですね。
- 田村
やった意味がないということになったりする可能性があるので、1つずつやって、しっかり検証していただいて、そして、そこで諦めないことですね。
必ず改善をして、成功までたどり着くということですね。
失敗っていう概念は、あまり持たないでいただきたい。
それは、検証であり、経験なんだということなんですね。行動イコール検証なんだということです。
- 斉藤
その考え方はうちでも大切にしています。
- 田村
行動の結果は、検証なんだというふうに思っていただきたいんですよね。
行動の結果が、成功と失敗ではなくて、行動の結果、検証がとれたということですね。
これをやると、こういうふうに結果が出るという検証をするために行動するんだというふうに考えてもらえると、けっこう行動のハードルが下がると思います。
行動して成功しなきゃいけないと思うと、行動のハードルが上がるんですね。
もっと言うと、失敗しちゃいけないという概念で行動すると、なかなか行動ができない。
そうじゃなくて、行動したことによって、この行動をすると、どんな結果が得られるのかということの検証をするんだというふうに考えてもらうと、行動のハードルが下がると思いますので。
- 斉藤
そうですね。
- 田村
また、検証するという意識を持ってやってもらえると、結果から得られるものが増えますから、そしたら、そこから改善もかけやすくなります。そうすると、事業速度が上がっていくと思いますので、改めてPDCAサイクルというものを意識していただきたいと思います。PDCAサイクルは、止まることはないんだっていうことですね。回し続けなきゃいけないんだっていうことです。
- 斉藤
回し続けていくと。
- 田村
そのPDCAサイクルを回していくにあたって、業績を上げるということが目標としてあったとしたときに、「自分たちこの治療院をなぜやっているんだ」というところを明確にしておかなきゃいけない。なんのために業績を上げていくんだということですね。結果的に業績は上がりました、だけど目的は達成できませんでしたというと意味がないわけですね。
- 斉藤
なるほど。
- 田村
あくまで、業績とか売上というのは結果なので、その結果から結果を出すために、その結果によって得られるもの、得られる将来、未来というものをしっかり描いていただきたいなって思うんですけれどね。
自分の家族を養っていくんだ、養っていくためには、これくらいの収入が必要になるなと。このくらいの収入を得るためには、売上をこういう状態にしなきゃいけないんだということをしっかり逆算していただくということをしていただけたら良いのではないかなというふうに考えていますので、改めてやっていただけたらと思います。
- 斉藤
PDCAサイクル、改めてすごい大事ですね。
- 田村
そうですね。本当に初歩の初歩、基礎の基礎なんですけれど、それが極意なのかなというふうに思います。諦めることなく回し続けていけば必ず結果にたどり着く、ゴールにたどり着けて目標達成できると思いますので、しっかりやっていっていただきたいなと思います。
- 斉藤
ということで、本日もたむ鉄をお伝えしてまいりました。
田村車掌、本日もありがとうございました。
- 田村
本日も、ご乗車ありがとうございました。