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たむら電鉄 コンサル道中記

68ターン目 中編 「新人タクシードライバーから学ぶ、"経営の落とし穴"とは?」

2016年08月25日(木)/ コンサル道中記

本日は68ターン目 中編『新人タクシードライバーから学ぶ"経営の落とし穴"』というテーマでお伝え致します。 「自発的なスタッフがうまれる治療院の仕組みとは?」などなど、役立つ+面白いをテーマにお届けします。音声でもお聞きいただけますし、ブログ形式で書き起こしもついています。では早速「サイを振れー!出発進行~!!」
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田村

売上の仕組みっていうのは、売上の仕組み持ってる人からすると、
われわれのビジネスはどうしてもアッパーが決まってるビジネスなので、
1人当たりの上げれる売上っていうのがある程度限界が見えているっていう状態ですね。
そこからさらに上を目指そうと思った場合には、じゃあその売上の仕組み自体を他社、同業他社に売ってしまおうっていう考え方で、今コンサルタントをやれてる方、非常に多いんじゃないかなと思います。
でも、本来的にはそれだけではやっぱりうまくいかない、分院展開をして3店舗、5店舗、10店舗とやっていって、
売上を1億、3億、10億っていう売上を作ってこうと思った時に、重要になってくるのはこのマネジメント、管理ということが非常に重要になってくるんですね。
これが仕組み化されてるとこが非常に少ないですし、そのノウハウを提供されてる方が非常に少ないなというふうに感じています。
私自身もかつては売上を上げるための仕組みっていうことを中心にお話しをさせていただいていたので…

斎藤

はい。売上の仕組みを提供する方が少ないんですね。

田村

うちのクライアントさん、1店舗当たりの売上ってことに対しては、苦しむ方っていうのは非常に少なくなったんですけども、その中でここ最近は私のクライアントさんとも、もう今4年、5年っていう方が多くなってきてるので、1店舗ではなくて…

斎藤

はい。

田村

3店舗、4店舗、5店舗っていうようなかたちで、店舗展開をされる方が非常に多くなってきました。
で、その中で起こってくるのがやはりスタッフマネジメントの問題ですね。
特に恐ろしいのがスタッフさんが現場で起こっている問題を隠蔽してしまうっていうことですね。

斎藤

うーん。隠ぺいですか….

田村

これは非常に恐ろしいことだというふうに感じてます。
私がいつも申し上げてますけど、問題があること自体は問題ではないっていうことなんですね。

斎藤

はい。お聞きしています。

田村

それよりも恐ろしいのは、その問題があることに気がついていない状態っていうのが一番恐ろしい状態、
組織運営の中では非常に怖いことですね。
クレームの中でもクレームが実際にあったクレームよりも、サイレントクレームを拾うってことが最重要なんですね。
私もよくタクシーに乗ったりとか、仕事柄、出張が多いのでタクシーに乗ることが多いんですが、
その中でね、サイレントクレームが言いたくなるようなこと、まあサイレントクレームを感じること、
本人には言いませんけども、もう二度とこの会社には、この会社のタクシーは乗らないなと思うような出来事ってたくさんあります。

斎藤

はい。タクシードライバーさんは個性的な方多いですよね。

田村

最近でもね、まあこの時期なんで新人のドライバーさんが多いんですよね。

斎藤

ふーん。新人ドライバーさんですか。

田村

で、最近は人手不足なのかどうかわかんないですけど、
東京なんかだと海外の方のドライバーさんとかが増えてきました。
当然言葉もあまり通じにくいですし、海外からお出でになってる方々なので東京の地理には疎いわけですね。
で、そこでひたすらその方がおっしゃるのは、タクシーに乗った瞬間にどこそこまで行ってくださいというお話をするんですが、「新人です。モンゴル人です。わかんないです」ってことをひたすら繰り返されるわけですね。
まあ、本人にはなかなか言わないですけど、もう二度と乗りたくないなっていう気分ですよ。
なぜタクシーに乗るのか、私、全国回りますので、知らない土地の中で公共交通機関使ったりとか、歩いて行ったりとかすると迷うわけですよね。

斎藤

はい。迷いますよね。

田村

ですから、それに対してまあナビも付いているし、土地にも当然詳しい方が多いタクシーを利用することによって時間のロスを防ぎたい。
公共交通機関使ったことで安く済みます。歩いたほうが安いです。だけど、その時間のロス、時間っていうのは何度も言いますけど財産なんですよね。
時間とお金っていうものは財産です。特にお金は増やすことのできる財産ですけど、時間っていうのは増やすことができない財産になってきます。
だからこの時間っていう財産を大事にしたいからタクシーに乗ってるわけですね。
その中でその時間を奪われるっていう現象が起こってくると、目的に反するわけですね。
これは当然クレームになるし、言わなかったとしてもサイレントクレームになってくるっていうことですね。
ここに課題があるわけなんです。

斎藤

確かに、どちらにせよクレームは生まれてますね。

田村

しかし、この課題に本社側が気がつけなかった場合、クレーム言って頂いたらありがたいほうだと思うんです。
こういう問題がありますってことをわざわざ労力をかけてご報告くれるってことは、これ、非常にありがたいことだと思うんですね。
しかし、クレームを言ってくれない。問題は存在し続ける。
本社が気づいていないっていうと、組織の崩壊が近づいてくるわけですね。
売上のシステムそのものが壊れてきますし、院のコンセプトそのものが崩れてくる、
顧客満足度も下がってくるわけですから、
当然顧客離れも起こってくるっていう状態が起こってくるわけですね。
この状態が非常に恐ろしいわけなので、隠蔽をさせない仕組みを作ることが非常に大事。

斎藤

気づけないことがよくないですね。

田村

問題があったことに対して問題であるということをはっきり伝えれるように、
こういう問題を今抱えていますっていうことをしっかりと連絡していただける状態、
報告していただける状態を作っておくってことが非常に大事です。
その中で簡単で言われ続けてることではあるんですけども、むやみやたらに怒らない、叱らないってことですよね。

斎藤

うん。言われ続けていますね。

田村

問題があるっていうことに関しては仕方ないんです、これは。問題は起こるんです。

斎藤

はい。起こってしまいますね。

田村

常に今の時代、治療院も新しいチャレンジをしなきゃいけないです。
新しいことにチャレンジすると必ず失敗が起こります。
それに対していちいち咎めていたら報告をしなくなります。
だから、その新しい取り組みがうまくいってないのかってことがわからなくなる、
そうなるとPDCAがかけられなくなる。
PDCAとはプラン、ドゥー、チェック、アクトってことね。
仮説を立てて、実際にやってみて、検証して、改善をかけるっていうビジネスの基本中の基本ですけども、
意外とできてない方が多い。しかし、その改善のためには、チェックのためには、
情報が上がってこなければいけないってことですね。
情報が上がってこないとチェックしても、本当は問題が大ありなのに問題なしということになるわけですね。
これが組織の崩壊を招く1つになるんですね。

斎藤

うん。情報がないと正しいチェックはできないですね。

田村

テレビのニュースなんか見てても、組織が大きな問題を抱える時っていうのは、その中に小さな隠蔽が隠されていてうまくいってないこと、報告が上がっていない、連絡がいっていないっていうことが多くあります。
この隠蔽っていうのが組織にとって一番恐ろしいこと。

斎藤

うーん。恐ろしいです。

田村

ですから、その問題があるっていうこと、トラブルが起こったってことに対して、
ポジティブに報告できる環境を作ってあげるっていうことですね。これは仕組みなんですね。
例えば、うちの院、今こういう課題がありますっていうことに対して、
本社側は、オーナー側は、「ありがとう。そういう問題があることを教えてくれてありがとう」って、
言えているかどうかっていうことですね。心底言えているかどうかっていうことです。
一時的にはね、表面的なかたちで伝えても大丈夫なんですが、やはり人間馬鹿ではないので…

斎藤

うーん。感じ取れますよね。

田村

言語以外の表情であったり、身振りであったり…

斎藤

わかります。

田村

その行動でわかってきますから、本当にありがとうって思っているかどうかっていうのはすぐわかります。
で、それに対して報告を上げてくれてありがとう。じゃあその問題に対してはみんなで取り組もうっていう組織文化が作られているかどうかっていうことですね。
うまくいかない組織、分院展開であるとか、組織の拡大化がうまくいかない組織っていうのは、個の問題にするんですね。

斎藤

全体ではなく個でみちゃうんですね。

田村

「なんでそんな問題起こしたんだ。それ、お前の責任だ。お前の責任で処理をしろ」と。
責任を全部押し付ける、トカゲの尻尾切りですね。
こういうようなことをやる組織っていうのは、なかなか大きくならないんです。
なので、まあスタッフが不安を常に抱えて行動することになる場合ですね。
今問題がある。それについて改善したほうがいいなと思うけど、
その改善する行動を取ったことによって、叱責される、怒られてしまう…

斎藤

うーん。

田村

早くクビになるかもしれないっていうことであれば、報告はしないし、
見なかったことにしようってことになってしまうわけですね。
こういう組織はやはり弱体化していきますし、長く存在することはできないんですね。

斎藤

はい。衰退していきますね。

田村

ですが、私が見ている中で長く存在できてる組織っていうのは、
しっかりとお互いに指摘し合うことができてますし…
問題があるってことに関して、ウェルカムの姿勢を持ってます。
これ、社内文化です、これはね。
問題があることはいいことなんだっていう、
問題があるってことはイコール改善できることがあるんだっていうことですね。

斎藤

社内の文化の問題。

田村

こういう組織や文化を作ってると、問題をポジティブに受け入れることでスタッフも積極的に報告してくれるわけですね。これ、1つ文化と仕組みの部分になってきます。

 
後編に続く...

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