61ターン目 後半 「新人の表情がガラリと変わる"ある研修"とは?」
2016年04月28日(木)/
コンサル道中記
本日は61ターン目 後半 『新人の意識改革をする方法』というテーマでお伝え致します。
「新人スタッフが瞬時に成長する"ある話術"とは?」などなど、役立つ+面白いをテーマにお届けします。音声でもお聞きいただけますし、ブログ形式で書き起こしもついています。では早速「サイを振れー!出発進行~!!」
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- 田村
それからもう一つ教えてるのが、今の自分があるのは全部自己責任なんだよっていうことですね。
結構、居酒屋さんとか行くと周りで会社の愚痴をいっぱい漏らしてるサラリーマンっていっぱい居ますよね。
- 斎藤
よく見る光景ですね。
- 田村
よく見る光景ですね。ただですよ。その会社に入ったのはあなた、
自分の判断で入ったんですよねってことなんですね。
だからこれ、治療院も同じで。治療院って全国に12万軒あるわけですよ。
12万軒ある治療院の中から、今入社した治療院を選んだわけですね。
その治療院を選んだのは自分なので、それは自己責任だよっていうことですね。
だから会社の悪口言ったところで、その会社選んだのはあなたでしょっていうことですよね。
もっといえば、「いや、でも入社前は知らなかったんです」とか「思ったのと違ったんです」とか言ったところで、
それはリサーチが甘かったってことなんですよね。
- 斎藤
とにかく自分の責任ですよね。
- 田村
そうです。治療院ですから、当然患者として通うこともできたはずなんですよ。
で、就職する前にもっといろんなこと話を聞いてリサーチすることもできたはずなんです。
で、ろくなリサーチもしないで入社してるわけですから、それはあなたのリサーチが甘いっていうことなんですね。
当然、治療院業界以外の一般の企業の就職の場合って、すごく企業のこと調べるわけですよね。
面接でも聞かれるわけですから。
- 斎藤
そうですね。
- 田村
うちの企業のことをどう考えてるのかっていうことに対してすごく細かく聞かれるわけですよね。
そのとき、必ず企業研究ってするわけですよね。
治療院業界でそこまでして治療院に入ってくる子ってほとんど居ないわけですね。
それはやっぱりあまりにも甘すぎるよっていうことですね。
やっぱりその甘えを取るっていうこともやらなければいけない。
最初の段階で甘えを取っておかないと、後から言ったところで聞かないですね、やっぱり。後出しは駄目なので。
- 斎藤
確かに。もう施術ができて、一人前になっちゃった後にはあんまり通じないっていうことですね。
- 田村
そうですね。はい。もう自分を一人前だと思ってますから、
それから後出しで言われたところで聞く耳持たないですね。
その反面、今回本当に入社直後に研修をやったんで、もう何も染まってない状態で研修ができたので、
非常にピュアでしたね。
- 斎藤
どういう反応なんですか? 今言ったような技術だけじゃない部分だったりとか、自己責任の部分。
あんまり聞いたことない話が急に入ってきて、戸惑ったりしないですか?
- 田村
そうですね。やっぱり学生の間はそんなこと聞きませんから。
アルバイトのときもそんなこと言われませんから。
まず、業界の現状の話をしたときには、やっぱり中には開業希望の子も居るわけですね。
今年は研修が全体で40人程度だったと思うんですけど、
40人ぐらい居る中で2割ぐらいが開業希望なんですよね。
開業希望が2割ほど居る状態だったんですけど。そのメンバーの顔つきが変わりましたよね。
- 斎藤
変わりました(笑)。
- 田村
ちょっと顔が青ざめましたよね。
- 斎藤
それはもう、甘く見てたというか。その子たちは。
- 田村
そうですね。やっぱりなんで治療家になろうと思ったのか、柔整師になろうと思ったのかというときに、
流行ってる治療院だけを見てるんですよね、やっぱり。
流行ってる治療院だけを見て、自分もああなれるんじゃないかっていうイメージを持って入ってくるわけですけど。
流行ってない治療院が大半なわけですね、正直に言って。
- 斎藤
そうですよね(笑)。
- 田村
飲食店もそうですよ。飲食店だと流行ってるところはすごく流行ってますけど、
大半の飲食店ってやっぱり経営厳しいわけですね。
そういう裏の側面を見れてないので、夢だけを持って入ってくるわけですね。
ただ、これはやっぱり夢を潰すわけではなくて、
厳しい現実があるということを教えてあげる義務があると思うんですね、業界の先輩として。
もう入社2日目ですから。1日目は各会社に居てもらったので。
- 斎藤
はい、はい。そうですね。
- 田村
入社2日目にいきなりそんな話を聞かされてますから。
学校3年間行って、あと試験も通って。今年は非常に合格率悪かったですから、
意気揚々と入ってきたところを2日目にして出鼻をくじかれるという感じだったので。
- 斎藤
意気揚々と(笑) もう、ガツンと。
- 田村
一瞬青ざめましたよね、皆さん。
青ざめましたけど、その後に、その中でみなさんの治療院っていうもの、
うちのクライアントさんたちの治療院っていうのは売上しっかり上がってますから。
そういうところに入れたのはすごくラッキーなんだよっていうことですね。
- 斎藤
ですよね。
- 田村
だから学べるものがこれだけあるよっていうことですね。
その施術以外のこともお話しているので、治療院の仕事っていうのは施術だけじゃなくて、
ほかにもこんな仕事がたくさんあるんだよっていうことに関しても、しっかり時間をかけてお話しているし。
治療院の収益構造に関してもお話してます。売上に対してこれくらいの経費がかかって、
だいたいこれくらいの粗利益が残って、そこから税金を払うとこれぐらいのお金が残りますと。
で、そもそも開業するときにはこれぐらいのお金がかかってるんで、
そうすると、すごくうまくいったとしても月々これぐらいの利益しか出ないんだよと。
そうすると、最初の投資コストを回収するのに何カ月も何年もかかるわけですね。
その間って実質的に利益全然ないんだよっていうことですね。
- 斎藤
本当に現実ですよね。
- 田村
現実。それでも異業種に比べれば全然回収は早いビジネスなわけですから、
1年2年で回収ができてしまうっていうのは非常に早いビジネスですよね。
下手すれば半年で回収できてしまうわけですから。
- 斎藤
そうですよね。
- 田村
非常に回収の早い仕事だよと。そういう意味ではいい仕事選んだねっていうことも伝えてあげて。
やっぱり新人さんたちはこの業界しか見えてないんですよ。
- 斎藤
新社会人ですもんね。
- 田村
だからこの業界の中で物事をいろいろ考えるんですけど、
じゃあ異業種と比べた場合に、こんなに楽な業界なんだよ。こんなにチャンスのある業界なんだよって伝える。
で、もっと言うとうちのクライアントなんか、せいぜい多くても3店舗4店舗っていう、
今回研修に参加した治療院さんは3店舗4店舗ぐらいの小さな会社なので、
自分一人の存在が会社に与える影響がこれだけ大きいんだよっていうこともお伝えしました。
やっぱり従業員が何万人っていう会社になったら、一人一人の影響なんて大したことがないわけですね。
それに対して、やっぱりまだ規模が20人30人っていう会社であれば、
あなた1人の影響っていうのはすごく大きいから、あなたの成長が会社を変えるよということもお伝えして。
1回落としといて。
- 斎藤
落としといて(笑)。
- 田村
すごく厳しい現実をお伝えしたうえで、まだまだチャンスはある業界なんだっていうこともお伝えして。
そうすると、自分がラッキーであることはやっぱり理解してもらえるので。
いい選択をしたっていうことは分かっていただけたみたいですけどね。
- 斎藤
なるほど。そういう仕組みなんですね。
- 田村
やっぱり治療業界しか見えてないし、施術をすることしか見えてないし、それだけが仕事だと思ってるんで。
やっぱり人生の先輩として、業界の先輩としてはもっと広い視野を見せてあげるっていうことは
非常に重要じゃないかなと思いますね。
- 斎藤
ちなみに、その話を聞いた後もやっぱり将来開業したいっていうのは変わらない子が多いですか?
- 田村
初日の段階では、それでも開業したいと思う人って0になりましたけどね。
- 斎藤
0になるんですね(笑)
最初と最後でもう1回聞いたんですね。
- 田村
そうです。で、初日の研修の段階で「開業したいですか?」って聞いたときに2割ぐらい手が上がったんですけど、
今の治療院業界の現実はこうで、開業した後こういうような収益構造になりますよっていう話をした後に、
1日の最後に「それでも開業したいと思う人?」って言ったときには、それは誰も手が挙がらなかったですね。
- 斎藤
現実を知ったんですね。
- 田村
そしたら、3日間研修やったんですけど、
3日間の最終日の段階で1分間スピーチっていうのをやってもらったんですね。
研修で学んだもの。何を学びましたかっていうことに対して1分間スピーチってやってもらったんですけど、
その中ではやっぱり開業したいっていう声もいくつか上がりました。
厳しいのはすごく分かったけどチャンスがあることも分かったんで、トライしてみたいっていう。
失敗するかもしれないけどトライしてみたいっていう発表はいただけましたね。
- 斎藤
一歩成長したって感じですね、本当に初期設定というか、すごく大事ですね。
- 田村
そうですね。今週から研修が終わった子たちが現場で今、働き始めてるんですけど、
各院長先生からは非常にいい反響をいただいてて。
いい動きをしていると、自分から仕事を探して動いてるよっていうことは報告いただいてます。
- 斎藤
うれしいですね、それを聞くと。
- 田村
そうですね。で、その1分間スピーチも、
名古屋の会場ではオーナーさんたちが居る前で1分間スピーチ発表してもらったんですけど。
院長先生たちの顔が完全に親の顔になってましたね。
- 斎藤
子どものスピーチを聞くような(笑)
- 田村
そうですね。子どもの授業参観の発表を見てるような。ムービー撮ってましたからね、みんな。
非常にいい光景だったなというふうには思いますね。やっぱりいろいろ染まらないうちにいろんなことを教えてあげる。
自己判断し始めると、やっぱり勘違いが起こってくるので。
その前に正しい情報を与えてあげるっていうことは大事かなと。
やっぱり夢ばっかり見せててもしょうがないと思うんですよね。
厳しい現実があるのは確かなので。
- 斎藤
現実を教えてあげることも大事ですよね。
- 田村
その現実を伝えたうえで、未来はあるんだよっていうことをしっかり伝えてあげる。
ただただ未来が明るいよって言ってもしょうがないので。
やっぱりこのへんは、具体的に落とし込んで話をしてあげるっていうことですよね。
当然、研修の中では厳しいこともやっぱり言いますし、まだ学校を卒業したばっかりなんで
学生気分が抜けてないところもありますから、厳しいことも言わせていただいたりっていうこともありましたけど。
その厳しさと、未来が見えてるっていうことですね。
施術のことだけだったら、やっぱり先が見えないんでね。この業界で働いていこうと思ったら。
- 斎藤
そうですね。確かに。
- 田村
そうすると、もう開業するぐらいしかないのかなと思うかもしれないんですけども。
開業するためにはものすごいたくさんのスキルを身につけないと開業して成功することはできないわけなので。
開業するだけであれば簡単だとは思いますけど、開業して長く経営していく、
ちゃんと収益を上げれるようになるっていうことは非常に難しいことになりますから。
それに対してはしっかりと教育をさせていただきましたね。
- 斎藤
なるほど。ということで、本日は新人研修について田村先生にお伺いしてまいりました。
それでは田村車掌、本日もありがとうございました。
- 田村
はい。本日もご乗車ありがとうございました。