49ターン目 前半 「あなたは"足し算"でスタッフを苦しめていませんか...?」
2015年08月27日(木)/
コンサル道中記
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斎藤
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こんにちは。クドケンの斉藤です。田村剛志の「たむら電鉄」、今回は49ターン目をお届けいたします。それでは田村車掌、よろしくお願いいたします。
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田村
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はい。では本日も出発進行。
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斎藤
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はい。それでは今日も田村さんが講師をされているプロジェクトTを始められてるんですけれども。
その中で感じてることですとか、スタッフのマネジメントとかチームビルディングですね。
それについて、またお話をお伺いできればと思っております。
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田村
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そうですね。今月なんかは就業規則とかっていうことをやってたんですけど、先月は治療院の柱を作るっていうことをやってました。
グループコンサルティングっていうかたちを取ってるんで、それ以外の話題も非常に多く出てくるわけなんですけども。その中で非常に強く感じたことっていうのは、経営者として足し算と引き算が上手にならなきゃいけないっていうことなんです。
特に引き算が上手になってほしいなっていうことなんですね。
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斎藤
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はい。足し算と引き算ですか。
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田村
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はい。要は結局治療院経営をしてる中で、情報が非常に多い。
クドケンさんをはじめとして情報教材が非常にたくさん出てるし。
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斎藤
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多いですね。
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田村
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メルマガもものすごい数が出てると思うんですね。
だから情報過多なんですよ。いくらでも情報が入ってくる状態。で、いい情報もほんとにいっぱいあると思いますし、教材を出してる方々、それぞれやっぱり実績があるのでいいノウハウっていうのもあるわけですね。
だからコツコツやっていけば、しっかりと業績にもつながってくるものっていっぱいあると思うんです。
ただし、勉強しすぎてどんどんどんどん足し算、足し算、足し算、足し算していくと、業務量が莫大になるわけですね。結果、何が起こってるかっていうと、経営者は実際に実務に当たらないことが多いわけですよ。
多くの経営者はね。スタッフに動いてもらってて、経営者はちょっと一歩離れた位置で仕事してることが多いんで。足し算をしていったときに、確かに業績は上がる。業績は上がるんだけども、現場が疲弊してることに気が付いてなかったりするんですね。
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斎藤
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意外に盲点ですよね、そこは。
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田村
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そうですね。結構、やっぱり現場を離れてしまうと数字ばっかり見るところがあるんですよね。数字ばっかり見てて。だから数字が上がってればうまくいってるんだっていうふうに過信しがちなんですよね。
なんだけども、数字はたしかに上がってるけども、数字上げてるのは人間なので。人間の顔を見とかなきゃいけない。
だから、私がよく聞かれるのは、他店舗経営の中で、例えば以前分院展開もやってたんですけど、経営者の先生たちに聞かれてたのは「店舗に行ったときに一番最初何を見てるんですか」って言われたんだけど。
僕は迷わず「スタッフの顔を見てます」ってのは言ってたんですね。
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斎藤
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それは表情とか含めて。
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田村
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表情。そうそうそう。疲れてないかっていうことですね。疲れてないか、モチベーション下がってないかっていうことを一番見てましたね。やっぱり自分もどちらかと言うと新しいことをやりたいクチなので。
足し算をしがちなんですけど、あんまり足し算足し算足し算していくと、やっぱり業務量が増えすぎてしまって、スタッフが疲弊するわけですね。そうすると、今はいいかもしれないけどどっかで破裂する。集団離職が起こったりとかね。
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斎藤
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怖いですね、それも。
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田村
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はい。あるわけですよ。とすると、もう売上どころの話じゃないわけですよね。
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斎藤
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そうですよね。
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田村
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一気に倒産の危機になるわけですよね。だからここはよく見とかなきゃいけない。だから、足し算をするんだったら、これを足し算することによって何か引くことができる、引き算ができるぞっていう計算をしなきゃいけないんですね。やっぱり人間なんで、業務量の限界ってやっぱりあるわけですよ。
業務量の限界を考えなきゃいけないから、
何か足すんだったら何か引かないと、絶対にパンクするんですね。
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斎藤
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なるほど。やらないことを決めてくみたいな。
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田村
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そうですね。例えば効率が悪いことって必ずあるわけですね。
整骨院でいったら、私はよく言ってますけど、干渉波とか低周波っていう電気量って非常に無駄なわけですね。治療効果もないわけなので。
ちゃんとやれば治療効果あるのかもしれないですけど、ほとんどの治療院は治療効果を出すためにはやってないわけですよね。電流料を取るために待ち時間の緩和のためにやってたりするわけですよね。そこに生産性ってあんまりないわけですよ。ただ、そこにはやっぱり労力が掛かってるんですね。
だからそこに対して、じゃあもっと業績を上げたいときに足し算をすると、業務量増えるわけですよね。だったら何かを足すことによって効率の悪い業務を減らすっていうことをやってかなきゃいけないですよね。だから数字の中で、売上だけ見るんじゃなくて、その売上の中身。
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斎藤
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中身ですね。
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田村
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何をやってどうなってるんだっていうことね。何をやって売上、売上構成比なんかを見て、やめたほうがいいものはないのかとか、効率が悪いものはないかとかいうことをしっかり見てって、やめることも決めていくっていうことですね。
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斎藤
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そうですよね。これはスタッフさんを見れば分かりますか?
田村さん、その院のスタッフさん見ちゃったら。極端に言うと。
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田村
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そうそうそう。顔の表情とか、あと言葉の端々に出てきます、やっぱり。
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斎藤
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それは具体的に言うとどういうところですか?
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田村
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負担とか疲労とかっていう言葉がちらっと出てくるんです、やっぱり。
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斎藤
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負担とか。
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田村
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言葉の端に。
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斎藤
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はい。
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田村
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これ、プロジェクトTで東京会場であった事例なんですけど。
組織のスタッフさんが、ナンバーツーみたいな人が来てくれてるわけなんですけど。
その中で、業績的にはうまくいってますと言ってる中で、会社が大きくなっていく中で、負担が大きくなってきてるってことをぽろっと言ったんですね。これはまずいぞっていうのを思ったんですね。言葉にそれが出るっていうのは、本気で相当しんどいんだろうなっていうのを思ったんですね。
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斎藤
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負担とか、そっか、疲れてるとか。
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田村
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そうですね。
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斎藤
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ほんとにちょっとした言葉でも。
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田村
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言葉ですね。
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斎藤
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なるほど。あと、ほかに見てるところっていうのはやっぱり、
表情とか働く姿勢とか、そういうところですか?
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田村
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それと、ちょっと空いた時間のスタッフ間のコミュニケーションとかも見てるね。
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斎藤
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コミュニケーションですか。
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田村
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やっぱり疲れてきたり負担が大きくなってくると、スタッフ間コミュニケーションが不足してくるんですね。
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斎藤
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極端に言うと寝ちゃうとか、そういうことですか? 話さないとか。
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田村
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例えば会話の量が減ったりとか、あと、ストレスが溜まってる状態なのでスタッフ間トラブルが多くなります。うまく回ってるときってスタッフ間トラブルって起こらないですよね。
だいたい、僕が見てきて、スタッフ間トラブルって暇なとき、院が暇な状態のときか、もしくは過剰に負担が掛かっててストレスが溜まってる状態のときに起こるんですよ。仕事の量と負担が、そのバランスがいいときって基本的にスタッフ間のトラブルって起こんないんですよね。
だからスタッフ間のトラブルが頻発するっていうのはなんか問題があるときなんですね。
だからそういうのも見てますね。
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斎藤
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すごいですね。やっぱり経営者からした決断とかそういうのが、ほんとに下のそういうところに出てくるっていうことですよね。端々に。
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田村
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そうですね。はい。経営者には見えないので、現場の負担っていうのが。
次回、49ターン目後半は...
・スタッフさんを抱える治療家さんが愕然としてしまう"ある考え方"とは?
・"これ"を知らないと、院の方針はスタッフさんに伝わりません。
・指示をする時、"こんな伝え方"をしていたら要注意です!
などなどをテーマにお届けします。次回の『たむ鉄』もお楽しみに!