48ターン目 前半 「スタッフに"こんな"伝え方をしてたら今すぐやめてください。」
2015年08月05日(水)/
コンサル道中記
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斎藤
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はい、こんにちは。クドケンの斉藤です。田村剛志の「たむら電鉄」、今回は48ターン目をお届けいたします。それでは田村車掌、よろしくお願いいたします。
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田村
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はい。本日も出発進行。
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斎藤
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はい。ということで、
今日は田村さんが講師をされているプロジェクトTがいよいよ始まったということで。
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田村
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はい。やっと1カ月目が、ちょうど昨日終わったところで。
思った以上に1カ月で7回以上っていうのが結構ハードでしたね。
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斎藤
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ハードでした?
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田村
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はい。もうちょっと今声枯れてますけど。
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斎藤
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声枯れてますよね。
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田村
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はい。お聞き苦しくて申し訳ないんですけど。
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斎藤
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今日はそんな中で、何か感じたこととか、先生が悩んでることって共通だと思いますんで。
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田村
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そうですね。7回以上やって来て、計120人の先生とお話をしてきたわけなんですけど。
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斎藤
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120人ですか。
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田村
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はい。少人数のグループコンサルなので、結構個別の問題も聞きながらやってるかたちなんですけども。その中でやっぱり、経営者の方たちが「伝える」っていうことにすごく苦労しているなって感じですね。
非常に難しいもんだなって思うんですが。ただ、チームビルディングだとか、どうしても組織運営をやっていくうえでは、やっぱり「伝える」っていうことが一番大事だなっていう。
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斎藤
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必須ですよね。それこそ。
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田村
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そうですね。やっぱりでも、斉藤さんもご自身で今店舗をやってて、ここから一気に組織を拡大していくところなんですけど、人に物事を伝えるっていうことの難しさっていうのを痛感されていらっしゃると思うんですけど。
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斎藤
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はい。大変ですよね。やっぱり自分が「言った」と「伝わった」ってやっぱり違いますよね。
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田村
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そうですね。これは私の師匠の言葉で身にしみてることがあって。
「言ったことが伝えたことではなくて、伝わったことが言ったことだ」と。
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斎藤
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伝わったことですよね。
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田村
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はい。これはほんとに身にしみてる言葉で、ほんとにそうだなと。自分がどういうつもりで言ったかということとは別に、やっぱり相手に何が伝わったかってことのほうが、やっぱりすごく大事なんですよね。
だからこのプロジェクトTの中でもお話したんですけど。ほぼすべての経営者さんは、従業員によい環境、よい従業員としての働く環境ってものを提供したいっていうことを思ってるんですよね。
僕自身も前々職、師匠の丸山先生のところで仕事をしてたときに、当時スタッフ80人ぐらい居たんですけども、その80人のスタッフをなんとか給料上げてあげたいとか、休みを増やしてあげたいとか、いろんなことを考えて動いてたわけですね。
それを目標にして動いてたわけなんですけど、言葉の表現をやっぱり間違えてしまうということがよくあって…。給料を上げてあげる、休みを増やすためには、やっぱり売上と利益っていうものがやっぱり必要で。
そこで、僕がちゃんと皆さんの待遇条件はこうこうこういうふうにしたいから、そのためにはこうこうこういう理由で売上が必要なんだっていう説明を丁寧にやんなきゃいけなかったんですよ、本来は。
本来やんなきゃいけなかったんですけど、当時経験が浅かったっていうのがあって、結論だけ言っちゃってるんですよね。
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斎藤
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「売上はこうだ」って。
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田村
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そう。「売上を上げよう」っていう結論しか言わなかったんですね。
根底にはみんなの雇用条件をよくしたいっていうのがあるんだけど、言語として出てるのは「売上を上げろ」っていうことしか言ってないわけなので。
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斎藤
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上げろっていう。そうすると、そうですね。言われたほうは「結局売上かよ」みたいな。
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田村
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そう。売上のために働かされてるっていう印象になってしまうわけですよね。
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斎藤
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そうですよね。そうですよね。
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田村
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ある日の院長会議で、僕は忘れもしないんですけども、会社のビジョンを語るときがあるわけですね。年度計画を立てたりとかするときに、会社のビジョンとして3年後こういうふうになりたいんだっていうことをチームリーダーとして話をするわけですよ。
その話の中で、「3年後に会社の中で年収1000万を取れる人間を作りたいんだ」っていう話をしたわけですよ。そのときは本当に、純粋にスタッフの中でそういう人間が出てきたら夢があるだろうから、夢のある会社にしたいんだっていうことで言ったつもりなんです、僕はね。
でもその場で言われたことは「その1000万、お前が取るんだろ?」って言われたんですよ(笑)。
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斎藤
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きついですね、それ。
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田村
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結局、だからいろいろなんだかんだ言ってるけど、お前が儲かりたいから言ってるんじゃないのかっていうことを言われちゃったわけですね。これはきつかったです。
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斎藤
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ショックですね。
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田村
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これは膝が、ほんと崩れ落ちるかと思うぐらい、がくっと来てしまいましたね、ほんとに。これ、ほんとにつらい記憶(笑)。
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斎藤
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未だに忘れないっていう感じですね。
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田村
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トラウマですよね、もう。だから師匠のときはそういう伝え方で「売上」としてしか伝えられなかったので、僕自身もトラウマになり、前職のときは「売上を上げろ」とは言わなかったですよね、もう。
売上を上げろ、じゃなくて、売上の要素ですよね。
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斎藤
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要素ですね。
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田村
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リピート率や地方集客、回数券、プリペイドカードの販売率がどうであるか、という要素のほうに照準を置いていきました。その説明も、目標目的っていうことをしっかり伝えて、みんなの雇用待遇をこうしていきたいんだっていうことをメインで伝えるっていうことをしてたんですね。
そうすると非常にチームとしてうまくまとまったっていう経験があるんですよね。
ほんとに結果の話をすると、結果から入っちゃうとうまく伝わんない。
これ、プロジェクトTでもあったんですけども、従業員さんに対して「給料を上げてあげたいんだ」っていう話をしてらっしゃる方。これ、過去にもいろんな先生から聞いた相談なんですけどね。「みんなの給料を上げてあげたいんだよ」っていうような話をするんです。
それって従業員にとってプラスの話じゃないですか。だけど、やっぱり治療家のマインドとして、お金の話ってあんまり好きじゃないわけですね。
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斎藤
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分かります。どうしても目を背けちゃうというか。
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田村
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そうそう。だから本質的には、お給料を上げてあげることによって、「あなたの人生がどのように変わるか」ということを話しとかなきゃいけないんですよ。
「給料を上げてあげたいんだ」部分的なところだけ話し、その本質的な意味をちゃんと伝えずに言ってしまってると、「いや、僕らお金のために働いてるんじゃないんです」ってやっぱりなっちゃうんです。
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斎藤
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なるほど。なっちゃいますね。
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田村
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特に20代の独身の方だったりすると、正直20万、25万給料あれば困んないんですよね。実家暮らしだったりすると、ほとんど自分のお金として使えるわけじゃないですか。全然困らないから、お金を得るっていうことに対して、そんなにモチベーションにならないんですよね。
特段お金が掛かるような趣味を持ってたりするわけでなければ、基本的に20代の若い男の子でそんなに何十万っていう給料が欲しいとかっていうのはあんまりモチベーションにならないんですよね。
だけど、将来結婚して奥さんできて子どもができてっていうと、やっぱり収入ないと養っていけなくなるわけですよね。だからその未来が実は見えてないわけですよね。
だからその未来を見せてあげなきゃいけない。これがやっぱり伝えるっていうことだと思うんですよね。なぜ給料を上げてあげたいのかっていうことですよね。
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斎藤
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確かに。でも言われたほうは、そうですよね。
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田村
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そう。お金のことだけ言われると、「いや、そんなに別に金いらないし、そんな金、金言われるの嫌です」ってなっちゃうんですね(笑)。
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斎藤
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ってことですね。そうですね(笑)。確かに。
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田村
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よかれと思って言ってるんだけどマイナスになってしまうっていうことがあるわけですね。
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斎藤
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なるほど。やっぱり間のプロセスっていうところを明確にして、「伝えた」じゃなくて「伝わった」レベルまでしっかりと落とし込まないと、ただ言ってるだけみたいな。
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田村
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そうそう。駄目なんです。そう。これを防ぐためにやったほうがいいことがあるんですけど。
(後半へ続く…)
次回、47ターン目後半は...
・「スタッフが言った通りに動いてくれない」そんな時は"この魔法の質問"を使ってください。
・"これ"を知らないと、スタッフとのコミュニケーションは一生良くなりません。
・コニュニケーション力UPの近道は○○を蓄積することです。
などなどをテーマにお届けします。次回の『たむ鉄』もお楽しみに!