47ターン目 後半 「豊臣家の失敗に学ぶ、一流の組織の作り方」
2015年07月28日(火)/
コンサル道中記
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田村
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ここはちょっと要注意で。
経営者の皆さんはだいたい上昇志向が強いんで、当然上に行きたいもんだというふうに思い込んでることが多いんですけど、実はそうでもないっていうのがあるので。
そこは無理強いする必要はないですよっていうことですね。
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斎藤
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確かにそうですよね。平等にチャンスを与えても、やっぱりやる人とやらない人。
そしてなんでやらないのみたいな感じになると、やっぱりそういう上昇志向じゃなくてっていう人も居ますよね。
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田村
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その人の、本人にとっての仕事っていうものの、人生の中で仕事っていうものに対する位置づけがちょっと違ったりしますから。それは各個人の自由なので。
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斎藤
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確かに。仕事の価値観だったりとか、信条だったりとか、そういうのは人それぞれですもんね。
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田村
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だからその価値観を上司から部下に押し付けると、部下はつらいんですよね。
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斎藤
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めっちゃ反発しますよね。
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田村
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うん。だからそこの価値観は大事にしてあげたほうがいいなと思いますよね。
ただ、報酬に対する職務っていうのがあるわけなんで、その職務に対しては100パーセント遂行してくださいよっていうところですよね。
だけど、
「職務は充分遂行してますよと。それ以上のことは望みませんよ」
という人に対して上の仕事を要求するっていうのはちょっと別の問題になってきます。
もちろん、これは組織を作った段階。つまり採用の段階での問題になります。
例えば「うちは上昇志向の人しかいりません」っていうことが決まって採用をしているのならば、それ以上のことは望まないスタッフはNGかもしれない。
だから、組織の文化としては、現状に甘んじるっていうことに関してはうちでは駄目だよというのは先に、つまり採用を考える前に決めとかなきゃいけない。
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斎藤
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なるほど。そうですよね。
例えるとスタッフを一人前までに育てあげたら、そこから先は一流にするために差を付けた研修をやっていいということですよね?
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田村
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そうですね。そこはもう差を付けていっていいと思うので。
チャンスは平等にあるけれども、やるやらないっていうのはその人によって違うよっていうことですね。
非常に難しい話にはなるんですけども、例えば、みんなが「一流を目指す会社になるんだ!」というふうに会社が位置づけしました。
そういう文化を作ったら、会社の成長がそれに伴わなきゃいけないわけですよ。
みんな一流になってるのにポジションが与えられないってことになるわけですよ。
会社が成長していないと。
これがちょっと苦しくなったりもすることもあります。
会社が従業員に対して成長を求めるっていうことは、会社はそれ以上に成長しないと、成長した従業員に対してポジションを与えられなくなってくるので。
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斎藤
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確かに。これは、でもそうですよね。
当然、そういうことですよね。
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田村
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です。だから要求するっていうことは、こっちも覚悟がいるっていうことです。
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斎藤
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全部、自分に結局返ってくるんですね。
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田村
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返ってきます、返ってきます、返ってきます。
成長しろよって言っといて自分の会社が成長してなかったら、それは離職の原因になりますので。
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斎藤
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確かに。それこそ離職する感じですよね。
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田村
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はい。やっぱりある程度のビジョンっていうものは必要ですよね。
院の文化に対して、「こういう文化で行きたいんだ」っていう、個人的な思いだけでは駄目なんですね。
その思いで行ったときに、「会社組織がどういうふうに成長していくか」「人がどういうふうに成長していくか」それに合わせたちゃんとした土台、場所をちゃんと与えてあげれるのかどうかっていうことは非常に重要なポイントになってきますよね。
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斎藤
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なるほど。会社ももちろん成長しないとっていうことですね。
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田村
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そうですね。自分は成長してるのにポジションはないっていうと出ていきますからね、絶対に。
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斎藤
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確かに、そうですよね。
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田村
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育てるだけ育てたのに出ていかれるっていうことが多いんで。
だからよく聞く話としては、治療院の先生が一生懸命教育に時間を掛けて、スタッフが一人前になったと思ったらやめていくとかっていうのが多いですね。
それは会社の成長速度が遅いっていうことなんですよ。
従業員にとって、成長した人にとってその会社に残留するだけの魅力がない会社だから辞めていくわけですね。
だから従業員の成長速度に会社の成長速度が追いつかなかったっていうことなんですよね。
優秀な人からやめていくっていうのは。
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斎藤
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確かに、そうですね。
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田村
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ここではやっぱり卒業させていく組織を作るのか、長く勤められる組織を作るのかってことによって、経営者の腹積もりっていうのも変わるし、組織の作り方っていうのも大きく変わってくるので、将来像をしっかり考えておくっていうことが非常に大事ですよね。
その将来像をどうするかによって、最初の質問ね。
平等に教育すべきなのか、えこひいきすべきなのかっていうことは、大きく変わってきますね。
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斎藤
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そうですね。だいぶ変わりますね。
「どんどん卒業してってください」だったら、別にいいですよね。
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田村
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そういう場合は、どんどんえこひいきして、できる人だけどんどん教育して、できるようになったら出てってくださいっていうような体で構わないわけなんですけど。
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斎藤
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そうですよね。長くやるんだったら、しっかりと会社も一緒に成長して。
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田村
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成長して、平等にちゃんと教育のチャンス、成長のチャンスっていうものを与えてあげるっていうことですよね。
これをやっていかなきゃいけないので。
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斎藤
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なるほど。業績はやっぱり関わってくるし。
スタッフさんの満足度や将来像にもだいぶ関わってくるものですね。
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田村
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そうですね。
それに対して報酬がちゃんと払えるのかどうかっていうことですね。
そこのビジョンもしっかり描いとかなければいけないので。
戦国時代の話になりますけど、豊臣秀吉が日本を統一して平定したときに、結局戦国時代っていうのは戦争に勝てば勝つほど自分の領土が広がって報酬がもらえるっていう。
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斎藤
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そうですね。
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田村
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そこがモチベーションで組織が保ってたわけですよね。
だから日本が平定してしまったら、今度は与える土地がなくなってしまうと。
そうすると働くモチベーションがなくなる。
で、そのために朝鮮出兵をしなきゃいけなくなってしまったっていうのがあるわけですよね。
それはやっぱりシステムの先を見てなかったっていうことですよね。
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斎藤
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すごい、歴史だと分かりやすいです(笑)。
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田村
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そうですね。
あれは典型的な事例ですよね。
与えるものがなくなってしまって、ただ準備もできてない中で外に出て行ってしまったので、負けてしまって。
それ自体はいいことじゃないと思うんだけども、出て行ったことによって負けてしまったと。
で、よって豊臣家っていうのは弱体化したわけですよね。
そこの隙を突かれて徳川家康に乗っ取られてしまったっていうのがあるわけなので。
そのへんのシステムを、先々のシステム、ビジョンをどうするのかってことはしっかり決めとかなきゃいけないところですね。
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斎藤
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なるほど。ちょっとあれですね。
クドケン店舗も急に大きくしようとしている部分はあるので、そういうところに気を付ける必要がありますね。
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田村
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ちょっとリスクがあるので。
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斎藤
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そうですね。
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田村
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一気に展開するっていうところに対して、
可能性があるので。
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斎藤
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確かに。そうですね。
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田村
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そこは唯一要注意ですね。
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斎藤
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ちょっとこの「たむ鉄」の中でも、いろいろ広報を期待していただいて(笑)。
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田村
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そうですね。
進捗もお伝えできればいいかなと思いますので。
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斎藤
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そうですね。はい。
ということで、今回も「たむ鉄」をお届けしてまいりました。
それでは田村車掌、本日もありがとうございました。
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田村
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はい。
本日もご乗車ありがとうございました。