47ターン目 前半 「覚えの悪いスタッフを重宝すべき理由」
2015年07月23日(木)/
コンサル道中記
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斎藤
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こんにちは。クドケンの斉藤です。田村剛志の「たむら電鉄」、今回は47ターン目をお届けいたします。それではたむら車掌、よろしくお願いいたします。
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田村
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はい。では本日も出発進行。
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斎藤
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はい。ということで、今日はちょっと僕から田村先生に質問なんですけれども。
最近、クドケン店舗でも事業拡大を考えてまして。
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田村
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また一気に人採りましたね。
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斎藤
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そうですよね。
人をどんどん採用して、これからはチームビルディングやスタッフさんの教育とか、いろいろとやることが多くなってきています。
その中で僕が感じていることがあります。
それは、スタッフ教育っていうのはこれから平等にするべきなのか、それともえこひいきすべきかということです。
えこひいきというと語弊はありますが、できる人はできる人なりにしっかりと教える時間を長くしたりすべきなのか。
それとも全員を平等に教育していくべきなのかっていうところを、ちょっと悩むというか、どうなんだろうなっていうところを今回お聞きしたいんですけれども。
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田村
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ステージによってちょっといろいろ考え方はあるんですが。
まず根本的に言うと、いつも言ってることなんですけども、個人にフューチャーしないっていうことですね。
だから個人能力がどうかっていうことよりも、どういう人にしたいのか。
その型がちゃんとあるかってどうかっていうことなんですよね。
自社の従業員っていうものの姿がちゃんと型が決まっているかどうか。
うちの従業員っていうのはこういうことができなきゃいけない。
っていうことの到達地点がちゃんと決まっているかどうかっていうことですね。
で、等しくまずそこに持ってくるっていうことが絶対条件である。まずはね。
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斎藤
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最低限、まずはそこのレベルまで全員を引き上げると。
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田村
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うん。
みんなが同じく、決まったことはちゃんとできるようにするっていうことがまず最低ラインの話。
で、そこに平等か平等じゃないかって話によると、結局同じ教育カリキュラムを施したとしても、そこに早く到達する人と時間が掛かる人っていうのは出てくるので、当然時間が掛かる人には時間を掛けなきゃいけない部分は出てきますよね。
できる人とできない人のどっちに合わせるかっていうと、できない人に合わせる。
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斎藤
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できない人に合わせるんですね。
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田村
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院の評価、会社の評価っていうのは基本的に一番できない人の評価で評価されるというふうに思っといたほうがいいので。
お店とか飲食店とか行っても、例えばみんなの接客がよかったとしても、1人駄目な子が居ると、その子がやっぱり評価の基準になるんですよね。
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斎藤
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確かに。すごい印象に残りますもんね。
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田村
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残っちゃいますよ、やっぱり。
印象が強いので、そこがやっぱり印象に残ってしまうので。
だから一番駄目な人に教育の水準を合わせるっていうことですね。
その人をどうレベルを上げるかっていうことがやっぱり教育レベルになってくるので。
だから教育レベルの高い会社であればあるほど、能力はあんまり必要なくなってくる。
採用基準として、能力がそんなに必要なくなってくるっていう部分なんで。
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斎藤
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確かに。そうですよね。
それが自社にあれば、どんな人が来ても同じぐらいのレベルに引き上げられるっていうことですよね。
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田村
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そうですね。はい。
だから、よく多店舗展開してる先生なんかと話すのは、
要は自社の教育レベルをアップするチャンスだと。
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斎藤
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なるほど。すごいですね、その考え方。
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田村
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もちろんやっていく中で、今現在のうちの教育レベルだとこの人の育成がしきれないっていうことはもちろんあるんだけど。
その教育レベルが上がるっていうことは、採用の幅が広がるわけなので。
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田村
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採用する基準が下がってくるわけだから、より採用がしやすくなってくる状態になってくるわけですね。
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斎藤
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できない人のレベルに合ったカリキュラムを作ることによってってことですね。
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田村
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そうそう。
によって、より多くの人を採用できるようになってくるので、より大きな組織を作りたかったら、より教育カリキュラムっていうものを強化していかなきゃいけない。
強化するためには、一番大変な作業なんですけど、できない人が何が分からないのかっていうことをリサーチ掛けることなんですよね、やっぱり。
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斎藤
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確かに。そうですね。
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田村
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そういうふうに言うと、ちょっと、できない人っていう言い方も悪いんですが、要はちょっと教育に時間や手間が掛かるような人っていうのがいらっしゃった場合には、リサーチのチャンスだなというふうに思ってもらうのがいいんじゃないかなとは思いますけどね。
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斎藤
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はい。できない人のできない要因っていうのは、やっぱり聞きながらとか観察しながらとか?
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田村
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そうですね。だから何が分からないのかっていうことを1個1個落とし込んでいくっていうことですよね。能力が高い人ってえてして教育が下手だったりするんですね。
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斎藤
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自分が分からないことが分からないんですね。
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田村
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そうそう。何が分からないのかが見えないので、教育が難しかったりとかっていう部分があるんですね。
自分自身も、実を言うと人材育成とかチームビルディングっていうのは一番苦労したところなんですね。
だからよく分かるっていうのはあるんです。
どこができないのか、何が分からないのかとかっていうのはすごくよく分かるので、教えるのは得意なんですね。個々に関していうと。
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斎藤
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そっか。その過程をしっかり田村さんはもう踏んでいる状態なんですね。
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田村
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そうそう。だけど集客とかに関していうと、実はあんまり苦労をしたことがないので、あんまり苦労が分からないっていうのはあるんですね。
だからあんまりコンサルティングの中でも集客の話は実はしなかったりとかっていうのがあるんです。何が分からないのか分からないっていうのが正直あるので。
だから苦手なことのほうが実は人には教えやすいっていうところはありますよね。
だからそのへんのうまくいかない経験っていうのは、自社の組織を成長させてくれるチャンスなんだっていうふうに考えておくといいですよね。
ある一定の水準のところまでは、まず平等に教育をすること。
教育の機会を平等に与えて上げて、同じレベルに持ってくるようにするために、その教育の量に関しては変えてかなきゃいけないっていうのはありますよね。
同じ水準に来れるようにっていうことで、量は変えなきゃいけないっていうところはもちろん出てきますね。
そのうえで次のステップに進んでいくにあたっては、それはもちろんえこひいきじゃないですけど、差を付けていって問題はないですよね。
この水準まで来たら、じゃああなたは次のステップに進めますよっていう教育の成長のチャンスを与えてあげる。
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斎藤
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チャンスですね。
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田村
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ただ、これ間違えちゃいけないのが、みんながみんな上に行きたいかっていうとそうではないっていうことなんですよ。
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斎藤
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はい。そうなんですよね。
後半へ続く・・・
次週、47ターン目後半は...
・豊臣家の失敗に学ぶ、一流の組織の作り方
・なぜ、優秀なスタッフは
直ぐに辞めてしまうのか?
・それ、院の"肥大"になっていませんか?
などなどをテーマにお届けします。
来週の『たむ鉄』もお楽しみに!