39ターン目 後半 「7割は無駄?院内の無駄をなくす〇〇率」
2015年04月30日(木)/
コンサル道中記
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- 田村
だから数字が大事ですよっていうことなんですよね。
だからたぶん、細かい数字っていろいろありますよ。稼働率を取ったりとか時間単価を取ったりとかっていう細かい数字ありますけど。
- 田村
安易に数字が出てきたっていうのもなぜかっていうと、スタッフさんと会話をするときに共有化しないといけなかったんですよね。稼働率に関していうと、稼働率っていう数字でいうと、どういうものかっていうと、1日の勤務時間に対してどのぐらいの時間施術をしてましたかっていう、役務の時間がどれくらいありましたかっていうのが稼働率っていうんですね。
- 田村
1日の中の何十パーセントが稼働率っていう、稼働してましたっていう時間なんですけど、この数字を取るようになったっていうのはスタッフさんとの会話の中で、現場の、私はマネジメントをする立場。
で、現場の院長が居るわけですよね。で、現場の院長の主張としてはスタッフが足りないんだと。スタッフが足りないんでベッドが施術できる数が少ないから売上が上がらないんだっていう主張ですね。
それに対してマネジメントしてる側からすると、人件費なんかを、売上と人件費の比率を見ると、これ以上ちょっと人件費を、人を増やすのはちょっと苦しいという状況だったときに、話が平行線だったんですよね。
要は現場からすると忙しい。で、本部側のマネジメント側からすると暇だという、価値観の相違が発生したわけですよね。これをお互い押し付けあうと、戦争になるわけですよ、これ。
- 斎藤
ありがちですよね(笑)。
- 田村
はい。で、それを戦争してもしょうがないし、私の場合、基本的に現場の店長のほうが年上だったんで、年下の人間が、僕が押し通そうとするとまず間違いなく嫌われるわけですね。
- 斎藤
言いづらいですね。嫌われますね(笑)。
- 田村
はい。で、なんかいい方法はないかなっていうので稼働率っていう数字を出してみたわけですね。そうすると実際現場の数字、稼働率って数字を出してみたら40パーセントぐらい、三十何パーセントだったかな。しか、稼働率がなかったんですね。
- 斎藤
そんなに低かったんですね。
- 田村
はい。っていうことは7割ぐらいの、7割弱ですよね。暇な時間があるはずだというのが数字として出てきたわけですね。そうするとものの考え方、変わるわけですよ。
実際、数字取ったのは現場の数字取ってますから、現場の数字取ってみたら意外と数字低いぞと。
でも数字を取ってみたら半分以上働いてなかった。
じゃあ残りの半分何やってるんだっていうことで、そこで業務改善が始まるわけですよね。無駄なことが多かったから、じゃあ無駄なことをもっともっと省いてってもっと施術できる時間を増やそうっていう。
- 田村
もちろん物販とかもありますけど、基本的には施術が売上の中心になってくるわけなんで。
施術の時間を確保するのが最優先なわけですよね。だけど施術をする以外のことに時間を取られてて、手が取られてて、施術ができてなかったっていう事実があったんで業務改善ができるようになったっていうことなんですよね。
- 斎藤
すごいですね。確かに数字を取るとか出すことを目的になっちゃうと、そこの本当の目的部分っていうのが見失ってきちゃいますよね。
- 田村
そうですね。はい。だからこの数字がなんの意味があるのかっていうことを理解するようになると。
- 田村
割と言われるのが、文系のほうがそういう数字には強いってよく言われるんですよね。
- 田村
ロジックの話。ロジカルな、ロジカルシンキングしてた場合に、それを数字に落とし込むっていう作業ができるようになると数字には強くなってくると思うんですよね。
- 斎藤
はい。そっかそっか。そうですよね。またその数字を見て、こういう状況かなとかいろいろ考えたりとか選択肢も出てきますもんね。
- 田村
そうですね。で、やっぱり自分自身が数字を使うっていうことがものすごく理由があって。コミュニケーションのためっていうことも一つあったんですけど、自分を疑うためっていうのもあったんですよね。
- 田村
自分自身を疑ってかかるっていう。経営者であったりとか、マネジメントを担当する人間って、基本的にあまり周りから評価されることってないわけですよ。
- 田村
自分、特に経営者になっちゃうと評価制度がないわけじゃないですか。だから、もちろん評価はされてますよ。されてますけど、形になる評価じゃないわけじゃないですか。だけど自分が今経営的にうまくいってるのかどうかって不安になるじゃないですか。
- 斎藤
なりますね。
- 田村
そのときに基準値を持っておかないと、自信を保てない。私なんか割と自信がないタイプなんで、不安症なので。自分の中で通知表を付けておきたいっていうのがあるわけですね。
今経営状態がうまくいってるのかどうなのかっていうことを判断するために、そういう数値基準っていうものを作って、その数値基準にはまってれば今大丈夫だっていうふうに確信が持てるようにしているっていう部分ですね。
ほんと、客観的にほんとに見るために。人に伝えるためってことも一つあるし、自分自身が今の状況を把握するために数字ってものを取っているっていう部分ですね。
- 斎藤
すごい大事ですね。
- 田村
そうですね。だから自分なんかはやっぱり数字の話中心になるっていうのは、やっぱりそこが自分の自身の柱なんですよね。
- 田村
この数字が取れてる、これをやったことによってこの数字が取れたっていうことが結果、このアクションに対してこういう結果が取れましたっていう、この数字っていう部分が自分の自信の核になる部分なんで、コアになる部分なんで、非常に大事な部分なわけですよね。だから逆に言うと、数字を把握してないのに自信を持ってる人ってすごい怖いなって思うわけで。
- 斎藤
確かにそうですね(笑)。この話を聞いた後だと。
- 田村
感覚で持ってる人。でも、それでもうまくいっちゃう人っていうのはもちろんいらっしゃるんですけど、ただそれはたぶんご自身にしかできないことで。それを別の方に伝えていこうって思ったときには、やはり数字の要素っていうのは必要になってくると思うので。やはりその感覚を人に伝えるためには、数値化する、言語化するっていうことが非常に大事なんじゃないかなって思ってるんですね。
- 斎藤
確かにそうですよね。数字で見ると事実なのか意見なのか、はっきり分かりますからね。
- 田村
そうですね。だから結構、スタッフさんの評価ってものもあるんですけど、すごくいい子。笑顔で明るくて礼儀正しくて、きっと患者さんにも好かれてるんだろうって思った子の数字を取ってみると、あれ、そうでもないよねっていうことが結構あるわけですね。
- 斎藤
そうでもない。そっかそっか。それこそ事実なんですもんね、それが。
- 田村
そう。逆もまた然りで、普段あんまりしゃべらないし、無口で無愛想だし、普段会話にもあんまり交じってこない、愛想がない、こいつ駄目だなと思ってたけど、数字を取ってみると実は数字よく売り上げてくれているっていうことがあるわけですね。
この事実に基づいて話をしないと見誤るわけですよね。数字を見てなかったらいかにもいい子。だからこの子見習いなさいって言ってやっていくと数字がボロボロになっていって、結果的に倒産するっていうこともあり得るかもしれないっていうことですね。
- 斎藤
そっかそっか。そうですね。そう考えるとちょっと怖いですよね。
- 田村
怖いですね。結構そういうことってあります。データを取ってみる、数字にして表してみたら思ってたことと全然違ったっていうことですね。さっきの稼働率の話もそうですよね。忙しいと思ってたけど、データを取ってみたら忙しくなかったっていう。都合の悪い事実って出てくるわけですよ。
- 斎藤
そっか、そうですね。そうですよね。その場合、もし人を雇っちゃったらその分マイナスになってくるんですよね。
- 田村
そうですね。だから数字って絶対うそをつかないので。誰の感情も入ってないので、ちゃんと正確な数字を取ると、経営的には都合の悪い数字もいっぱい出てくることはあります。
だけど、やっぱりその都合の悪い数字っていうことをしっかり受け止めて改善に当たっていかないといけないっていう部分があるので。やはり経営するにあたっては数値っていう指標を持つことは非常に大事じゃないかなというふうに思いますね。
- 斎藤
なるほど。数値化ですね。田村さんが数字苦手っていうのはちょっと意外でしたけど。
- 田村
ね。すごく言われますけど、セミナーとか受けたことある方はたぶん分かると思いますね。すごく簡単な計算でも電卓叩いてますからね。全然計算できないです、私。
- 斎藤
そっか。じゃあ苦手な人ほど、やっぱり事実に目を背けず数値化したほうが。
- 田村
そうですね。今パソコンで、Excelなんかで演算も組めますし電卓もあるので、苦手な人でも計算はできると思うので。
- 斎藤
そうですね。ぜひ数値化していただいて。これがまたいろんなところに生かせますからね。
- 田村
そうですね。自分の状況が今どうなのかっていうことを分かってくるといいですし、治療家仲間、経営者仲間が居たとしても、同じ基準値を持って話するとすごくいいんですよね。
今どういう、今単価どのくらいで、うち稼働率がこのくらいなんだよ、で、リピートがこのくらいなんだけどっていう話をしたときに、よそと比べたときにはやってる治療院と、自分が今あんまり調子がよくない、治療院の調子がよくないっていったときに、よその治療院の数字を聞くわけですよね。
新患どのぐらいでリピート率がどのぐらいで、1回目と2回目のリピート率がどのぐらいで、6回目までのリピートがどのぐらいなの、単価どのぐらいなの。一人あってくれたりの患者さんが使るお金っていくらぐらいなのって、その基準、共通データがあると、今自分のところは何が問題なのかっていうのが結構分かりやすくなってくるので。
- 田村
そういう人と比較するために使えるツールだっていうふうに思ってもらえたら、少し身近に数字を感じてもらえるんじゃないかなっていうふうに思いますので。
- 斎藤
そうですね。ぜひやっていただければというところですね。
はい。ということで今週も「たむ鉄」をお届けしてまいりました。田村車掌、ありがとうございました。
- 田村
はい、本日もご乗車ありがとうございました。