24ターン目 前半 「叱られているスタッフの心のなか」
2014年09月25日(木)/
コンサル道中記
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- 斎藤
ハイ。それでは今週もたむ鉄をお届けいたします。
それでは田村社長、よろしくお願い致します。
- 田村
ハイ。それではたむ鉄、本日も出発進行!
- 斎藤
ということでですね、今日は僕から色々と質問させて頂きたいんですけれども、
今、クドケンの方でですね、実際に治療院を運営していて、
色々田村先生に手伝って頂いているんですけれども、
やっぱり僕も現場に入って、色々先生とかと話したりしてですね、いわゆる自己概念というか、
セルフイメージと良く言われるようなところに関して、まだまだ、何ていうんですかね、
低いっていったらちょっとおこがましいかもしれないんですけど、何するにしても、
どちらかというとネガティブに捉えてしまったりとか、
どうしても、こうポジティブに考えられない部分ていうのは、凄く多くて、
これをどうやったらポジティブだったりとか、自信を持てるようになるのかな?というのを
今ちょっと色々考えているんですけれども、割と治療院業界の方っていうのは、先ほどもちょっと話していましたけど、
怒られてというか、要は厳しく接しられて育ってきているという所が、入り口からあるので。
- 田村
基本、褒められないですよね。
- 斎藤
そうなんですよね。
- 田村
どんだけ成長しても「おめーなんかまだまだだ」っていう、そういう育てられ方をするので。
- 斎藤
そうなんですよね。業界に入ってから、やっぱりそういう所で言うとね、師弟関係だったりとか、部分も含めて。
- 田村
そうですよね。まぁ滅多に褒められることは無いっていうのが、通例かな。
- 斎藤
そうですよね。そういう中で、こう育ってくると、なかなかそういう風に委縮しちゃうところが出てくると思うんですけれども。
- 田村
そうですね。なんか頑張っても頑張っても、叱られるばっかりなんで、
なんていうのかな、凄く「自分なんか」「自分はダメな人間なんだ」っていう意識になりがちだとは思いますね。
- 斎藤
そういう先生を、どういう風に育てるというか、自己概念を一緒に上げていくという方法ってあったりするんですか?
- 田村
なんかもう逆の事をしてあげる。
- 斎藤
逆の事。
- 田村
褒めてあげるっていう。自分自身もそんなにこうセルフイメージって高い、現在もそんなに高いとは思えない、思ってないんですけど。
- 斎藤
田村さんもあったんですか?ちなみに。セルフイメージ、まぁ自己概念が低かった時っていうのが。
- 田村
まぁ、負けん気は強かったので、こう人を見返してやりたいみたいな気持ちっていうのは、凄く持ってたので、
その辺はだから、プラスに働いたのかな?とは思いますけど、なにせやっぱ修行時代は叱られてばっかりなので。
- 斎藤
そうですよね。
- 田村
うん。なんか、頑張っても頑張っても、認めてもらえないっていうのがあって、腐った時期とかはありますよ。
- 斎藤
へ~あるんですね。
- 田村
「あ~・・・なんかもう俺、この仕事向いてないのかな」とか、ほんとね一番ショックだったのは、
2年間ずっと修行してて、初めて店舗任されて、
当時、僕の師匠がですね、技術が良ければ流行るんだっていう概念を当時は持ってたんで、
今はそれだけじゃないっていうのはわかってくれてるんですけど、まぁそういうのがあって、
そのオープンした時は業績が悪かったんで「お前、技術チェックするぞ」って話になって、技術チェックされて、ボロッカス言われたんですよ、ほんと。
ほんと今でも忘れられないんですけど、よその店舗の、その時まぁ何店舗かあったんで、よその店舗の新人の方が上手だって言われたんですよね。
- 斎藤
キツイですね・・・
- 田村
2年間毎日、ほんと僕、結構真面目に練習した方だったんで、毎日夜2時間ぐらい残って練習してたんで、
結構それなりの練習はしてて、指名もいっぱいついてたんで、ちょっと自信があった所が、まぁそれだから店長にも早くなったんで、
ちょっと自信があったんですけど、新人より下手だって言われた時は、本当にショックで。
- 斎藤
キツイですね。ちょっと精神的にも。
- 田村
結構、落ち込んだことがあります。
まぁ、ありましたね。逆に言うと、施術者としての自分の心はそこで、折れましたね。「あぁ・・・もうだめだ」って。
「こんだけ練習して、新人より下手だって言われるんだったら、技術者としてはこれは無理だ」と思って。そこから経営の方向でちゃんとやろうという。
- 斎藤
ある意味、そこで切り替えたんですね。
- 田村
そう。切り替えたところもあるんで、キッカケの一言ではあったんですけど。まぁそんな事言っても、折れますよね。普通ね。
- 斎藤
ちょっと厳しいですよね。
- 田村
人間否定みたいなところも出てきちゃうので、そこまで言われてしまうと。
なんだろ「もっと練習しろ」みたいなことも言われたんですけど「いや、十分練習してきたんですけど」みたいなとこもあったんで
「こんだけ練習してきて、この言われようなんだったら、もう、ちょっと俺、向いてないんだろうな」って思ったりはしたんで、
まぁ、もしかしたら、今の自分から見たら「全然まだ努力が足りなかったんじゃないか」とか思う所はありますけど、
当時24歳とかなんで、本人なりには一生懸命やってる中で、そんなもん、自分の努力全てを否定されたような感じになっちゃうと、
やっぱりセルフイメージは上がんないですよね。
- 斎藤
そうですね。結構、叱る側も、あんまり考えないですもんね。
その技術が悪いのを叱りたかったのに、人格を否定しちゃうみたいな所も結構ありますもんね。
- 田村
それを言ったら、もっと奮起するんじゃないかと思って言ったのかとか。
- 斎藤
根性論ですよね。いわゆる。
- 田村
思ってくれたのかもしれないんですけど。ちょっとそこらへんは、わからないですけど。
まぁ、なんかそう、叱り方とかもね、感情を込めるとダメですよね。
叱る時に感情を込めちゃうと、やっぱり絶対にダメかな。
- 斎藤
叱る側の感情ですよね。
- 田村
叱るんだったら「君もっと出来ると思うよ」っていう所を前置きに置いて「勿体ないから、もうちょっと頑張ろうよ」っていう、そういう叱り方をしてあげないと。
「全然ダメだ」みたいな叱り方をしてしまうと、なんかもう、
- 斎藤
逆効果ですね。
- 田村
存在自体を否定してしまう形になるので。
- 斎藤
ショックですしね。言われた方は。とにかく。うん。
そうすると、まぁそういったところで考えると、やっぱり自己概念を上げていく、セルフイメージを上げるっていうのは、そういった環境は勿論大事だと思うんですけど。
- 田村
良い所を見つけてあげるっていう事かなと。
- 斎藤
褒めるっていう感じですか?
- 田村
うん。「こういう所、良い所だから」っていう。
褒めて行ってあげなきゃいけないし、後その、自分がどういう形にならなきゃいけないっていう、そのイメージを見せてあげる事も必要かなと思うんですよね。
オーナーさんが良く間違えるのは、オーナーさんと従業員っていうのは立場が全然違うので、
オーナーの立場で「俺みたいに、こうなれ」みたいなことを言われても「いや、あんたオーナーじゃん」ってなるので、
そこらへんは違う見本とかを見せてあげるのが良いのかな、とか。
あと、比較も良くないですよね。
- 斎藤
「あの子は出来るのに、お前は出来ない」とか言うのね。
- 田村
一番心折れるやつなんで。
- 斎藤
確かに。キツイですよね。
- 田村
潰したいんだったら、それでいいですけど。褒めてあげて、伸ばしてあげたいんだったら、その人自身の良い所、他者比較では無くて。
を、してあげた方がいいんじゃないかなとは思うんですけど。それぞれのペースが、やっぱりあるので。
- 斎藤
そうですよね。
- 田村
その人なりにはやっぱり成長してたりするので、成長した部分を褒めてあげたりとか。
で、言わなきゃいけない所はやっぱり言ってあげなきゃいけない。そこは褒めるところは褒めたうえで、足りないところは「ここはダメだよ」っていう事は言ってあげる。
全部叱ってると、どんどん小っちゃくなっていきますからね。やっぱり。
- 斎藤
そうですよね。どんどん殻に籠っちゃいますもんね。
- 田村
「もうこの人、嫌な事しか言わないから、この人の話は聞きたくない」ってなって、もう心のシャッターが下りてしまうので。
っていうのはやっぱり、そこはバランスを見ながらやらなければいけないな、とは思いますけどね。
- 斎藤
なるほど。
後半へ続きます