13ターン目 「総患者数は減っていないのに日々の来院数は減っています。これから先どう対処すればいいですか?接骨院を経営されている院長先生からの質問です。」
2014年06月12日(木)/
コンサル道中記
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- 斎藤
こんにちは。「たむ鉄」をお届けいたします。それでは田村車掌、よろしくお願いいたします。
- 田村
はい。では本日もよろしくお願いいたします。それでは「たむ鉄」出発進行。
- 斎藤
はい。ということでまたご質問です。はい。ニックネーム接骨おやじさんからです。
- 田村
はい。 - 斎藤
初めまして。私は関西地方で接骨院を経営しております。
施術所を始めて13年になるのですが、同業者の例に漏れず患者数が減少しております。
以前は100人を超えた患者数も、現在ではその半分といった感じです。
ただし日々の患者数は減っているのですが、患者さんの数自体はそれほど減っていないのです。
それどころが前年の患者実数を上回ることもあります。
しかし日々の患者数が減少しているというのは、これから先どう対処すべきなのでしょうか、というご質問です。
- 田村
はい。そうですね。まず患者実数。カルテ枚数は減ってないけれどもってことですよね、おそらくね。
- 斎藤
はい、そうですね。
- 田村
カルテ枚数は減ってないけども患者数が減ってる。それは来院頻度が落ちてるってことですよね。 - 斎藤
落ちてるってことです。はい。
- 田村
こういう質問非常に多くて。かつてはよかったんだけど、5年ぐらい前を契機に数字が落ちてきましたっていうご相談すごく多いんですけど。 - 斎藤
はい。
- 田村
5年ぐらい前から治療院が増え始めたってことはまず一点ですよね。そこで分散し始めたってことが一点だとは思うんですけど。
この方の場合は患者実数自体は変わってないっていうことなんで。 - 斎藤
はい。
- 田村
去年よりも多いことがあるということなんですけど、これね、患者の質が変わってると思います。 - 斎藤
質ですか。
- 田村
はい。かつての接骨院っていうのは、ちょっと状況わからないんで正確かどうかわからないんですけども、傾向として多い話としてお話しときますけども。- 斎藤
はい。
- 田村
かつての接骨院っていうのは、100人を超えるような接骨院さん。ご高齢者の方がかなりの数いたんですよね。- 斎藤
イメージはそうですよね。おじいちゃん、おばあちゃん。- 田村
100人超えるのはいいんだけど、おそらく後期高齢の比率が30パーセントぐらいあったのかなと思うんですけども。 - 斎藤
ほう。- 田村
ここ最近出てきたのは、接骨院の直接競合が増えたことも一つあるんですけど、デイサービス。
介護施設っていう関節競合が出てきたことによって、流出してると。高齢者の層が流出してるという部分があって。現在患者さんが来ているのが比較的若い層。若年層。 - 斎藤
はい。
- 田村
- 30代から50代ぐらいの勤労層の方が患者さんとして入ってきてる例が多かったりするんですね。
- この高齢者層、引退してる世代と現役世代、勤労層との大きな差として、お金と時間のバランスが変わってくるんですね。
- 斎藤
ほう。- 田村
65歳以上の高齢者の方々、引退世代ですね。年金の方々っていうのは基本的にお金が有限になってくるわけですね。
今ある、もちろん年金はもらってらっしゃるでしょうけど、基本的には貯蓄の中から生活をしていくという方々なので、時間よりもお金が大事。
多少時間がかかっても、時間はもういっぱいあるので。現役じゃないので。引退してるので、時間はあるから。 - 斎藤
そうですね。- 田村
時間よりもお金が大事っていう方々なんで、来院頻度が非常に高かったんですね。安ければいっぱい来てくれるっていう顧客層だったんですけど、勤労層になってくると、皆さんもそうだと思うんですけど、働いてる人って基本的に時間がないんですよ。忙しいんですよね。 - 斎藤
ないですね。- 田村
だからお金よりも時間が大事っていう部分があるんですよね。 - 斎藤
なるほど。 - 田村
-
だから安くても回数は行かないっていうことが圧倒的に多いわけです。おそらくこのカルテの中で、高齢者層の来院頻度と若年層、30代と70代かな。比べてもらったら、来院頻度が全然違うと思うんですね。もうおそらく。
たぶん、この先生のところは実枚数は変わってないんだけど、カルテが若返ってると思うんですね。顧客層が若返ってきてると思うので。 - 斎藤
なるほど。
- 田村
だから時間的になかなか来れない。金銭的な問題じゃなくて時間的に来れない方々が多くなってるんではないかなっていうのが推測されるんですね。
- 斎藤
なるほど。
- 田村
この場合の対策どうしたらいいかってことなんですけど、単純に単価を上げること。
- 斎藤
患者さん1人あたりの。
- 田村
そうですね。もう基本的に、物理的に時間がなくて来れないわけなんで、これを爆発的に来院回数増やすっていうことはなかなか正直難しい。
- 斎藤
そうですね。難しいですよね。
- 田村
- 来院指導をもちろん強化していって、「いつ来てくださいね」っていうような指導をかけていけば、時間を作って来てもらうっていうようなかたちを取れればいいんでしょうけど、ちょっとどういう治療をしてるのかもちょっとわからないので、そのへんの詳しいところは話できないんですけど。
単純にいえば来院数を増やすっていうことはあんまり現実的ではないので、よりも1人1人の単価を上げて実費をしっかりいただいて。
やっぱり現役世代はちゃんと治したい、もちろんある。ちゃんと治したいけども、治したいから来るわけじゃないですか。
- 斎藤
はい。
- 田村
けど、回数は来れないよ。
だから回数少なくしてくれるんだったら金額的なものを払ってもいいよっていう人が圧倒的に多いわけなので。そこをうまく突いて、いい治療をちゃんとして差し上げて、その分料金はしっかりいただきますよっていうスタイルで。
1人で70人ぐらい診てる先生だったんですけど。
- 斎藤
はい。
- 田村
来院数は少ないけども売上的には過去よりも取れるようなかたちを取っていったらいいんではないかなと思いますね。 - 斎藤
なるほど。単価を上げるために必要なステップっていうか。いきなりたぶん上げるのって難しいと思うんですけども。
- 田村
そうですね。同じことをやっていて単価を上げると、ただ単にサービスの減退になっちゃうので。 - 斎藤
そうですね。
- 田村
サービスも下がっちゃうわけなので。やはりプラスアルファ何かして差し上げる。どういう治療をしてらっしゃるかちょっとわからないので。
- 斎藤
そうですよね。
- 田村
単純にわかりやすいのは内装をきれいにするとか、環境面を整えたりとかすると。 - 斎藤
環境を整えるんですね。はい。
- 田村
はい。私もいろいろ値上げとかやってきてますけど、環境面を変えると患者さんは結構値上げを受け入れてくれます。当然改装にお金がかかるのわかるわけなので。- 斎藤
そうですよね。
- 田村
- 「お金かかったもんね」とか移転して今よりも場所がいいところに移転したりすると「家賃高くなったもんね」っていうことで理解はしてくれるんですよ。
特に勤労層の方だったら、なんらかのビジネスに関わってるわけなんで、そういうことにお金がかかるっていうことはご存じなんで。 - 斎藤
はい。
- 田村
そういう、目に見えるコストをかけるとやっぱり料金を払ってくれやすい部分ですよね。
- 斎藤
環境から変えるっていう感じですね。へえ。
- 田村
はい。だから「施術がうまくなったんで料金上げてください」って言ってもちょっとわかってもらえないんで(笑)。
- 斎藤
そうですね。難しいですよね。
- 田村
- なかなかわかんない。
ただ、技術的にうまくなったんで料金上げたいっていうことに関して言うと、例えばセミナー。こういうセミナーに言ってますとかいう、その証拠を。
- 斎藤
そっかそっか。伝えるんですね、ちゃんと。
- 田村
仕入れじゃないですか、施術のセミナー行くのって。
だから仕入れのコストが上がってるんでその分料金をもらいますよっていったら、それは当然な話なわけなんで。飲食店でもそうじゃないですか。
高級な食材使ってるんで料金高くなりますよ、それはわかる話なんで。
- 斎藤
そうですね。そっかそっか。もう商品の価値、付加価値を高めるってことですね。
- 田村
そうですね。付加価値を上げていくっていうことですね。価格ってもう価値なんで。価値をどう高めるかっていうことがすべてだとは思うので。
- 斎藤
そうですね。
- 田村
- そこまで突っ込んだアドバイスはできないんですけど。基本的にどうやったら価値が上がるかっていうことですね。今までと同じ価値を売ってたらたぶん、患者さんはついてこないっていうことになるとは思うので。ほかでも言ってますけど、やっぱり差別化するってことですね。
- 斎藤
そうですね。
- 田村
よその治療院にはなくて、ここじゃなきゃ駄目なことっていうことを作っていくっていうことが一番大事なことじゃないかなっていうふうに思いますね。 - 斎藤
はい、わかりました。では田村車掌、本日もどうもありがとうございました。
- 田村
はい。本日もご乗車ありがとうございました。
- 斎藤
はい。じゃあ失礼します。